
「お話の世界へようこそ」 開設について
群読グループ 田崎浩子
2020年から始まったコロナ禍で、ひびきのイベントの大半が中止されました。
群読グループも活動自粛になり、視覚障害者の皆様との交流の機会も無くなりました。
そんな中、私たちの活動を楽しみにしてくださっているリスナーの方から、「ひびき
では、朗読したものをネットで流せないか。そうすれば、私たちも楽しむことが出来る
から」とのお声をいただきました。
そこで、今回ホームページに「お話の世界へようこそ」というタイトルで載せていただ
くよう準備を進めてまいりました。
皆様にお楽しみいただければ幸いです。
「幽霊滝の伝説」 小泉八雲作 田部隆次訳
この作品は八雲が平垣霜月(そうげつ)の原作をもとに書いた
ものです。
設定や描写の変更はあるものの、ほぼそのまま踏襲したと解説に書かれています。
伯耆の国、今の鳥取県のお話です。
朗読は田崎浩子です。
「子育てゆうれい」 民話と伝説 呪いの巻物3
日本の怖い話より
兵庫県三田市に伝わる民話ですが、同じような話は全国各地に
あり、子どもになめさせる飴が牛乳になっている所もあります。
子どもを残して死んでいった母親の気持ちが表れている、
悲しい話です。
朗読は古瀧直子です。
「雪女」 小泉八雲作 田部隆次訳
雪女の起源は古く、室町時代末期の「宗祇諸国物語」には既に
伝承があったことが記されている。
呼び方は違えど、常に「死」を表す白装束を身にまとい、男に
冷たい息を吹きかけて凍死させたりし、広く「雪の妖怪」とし
て怖れられていた。
今回は、小泉八雲の「怪談」に収録された「雪女」を石川綾子
が朗読しました。
「注文の多い料理店」 宮沢賢治 作
宮沢賢治の作品の中で、面白さと分かりやすさ、意外な結末へ
導く巧みさでとても人気のあるものです。
朗読に際し、書かれている文字を 機械がしゃべっているように
したり、2人の紳士の性格を声だけで表現したりと工夫しました。
「ざしきぼっこの話」 宮沢賢治 作
賢治の故郷、岩手に伝わる ざしきぼっこ のふしぎな話を4つ、 賢治が聞き書きのようにしてまとめた童話です。季節の変化と
岩手の風土を見事な色調でとらえます。
朗読は中津原悦子です。
「野ばら」 小川未明 作
国境の石碑を守るため、両方の国から派遣されてきた老人と青年でしたが、いつしか二人の心の絆は固く結ばれていきます。けれども戦争によりその絆は絶たれてしまいます。
大正9年に書かれたこの作品は「おとぎばなし野ばら」のタイトルで発表されました。
作品の書かれた背景を踏まえると第1次世界大戦は終わりましたが、日本はシベリア出兵、中国反日・反帝国主義運動、ロシアで起きた日本人虐殺事件など、アジアにおいて不安定な情勢におかれていました。
このような時代背景の中、小川未明は、戦争の無い平和な世の中を願うべく「野ばら」という作品を書き上げたのでしょう。
「十三夜」 樋口一葉 著
旧暦十三夜の月見の晩を背景とする物語。
澄みきった月光に包まれる夜の上野周辺を舞台としている。
役人 原田勇の妻お関は、嫁入りして七年になる ある十三夜の
夜更け、たった一人で上野新坂下にある実家、斉藤家を訪れる。
いつもの晴れがましい黒塗りの抱え車での訪問と異なるのは、
お関の胸にある決心があったからであった。
平成21年1月に録音したものです。
配役 語り・母親 服部幸子
お関 峰岸欣子
父親・車夫 田崎浩子
フルート演奏はひびき会員のお嬢さん 遠藤淳子さんにお願い
しました。
「鼓くらべ」
加賀百万石の城下町金沢を舞台に、鼓を打つ才能は人一倍優れてはいるが、勝ち気で驕ったところのある一人の少女が謎の老絵師と出会い、その交流を通してどのように心の変化が起こっていったか。真の芸術とはどうあるべきか。
情緒あふれる、見事な筆致でえがかれた、心に響く山本周五郎の世界を存分にお楽しみください。





